唯我独論

ルアー・フライフィッシング、気象等に関する独論を綴る

リーダーの長さ

キャスティングの釣りにおいてもPEラインが全盛の現在、リーダーの長さについて質問されることが多い。PEラインは魔法の万能ラインではなく、扱い難い気まぐれじゃじゃ馬ラインであると考えた方が良い。

メインラインにナイロンを使っていた時代は、リーダーの長さは釣り方やポイントの条件に合わせて任意に設定できたが、PEラインはそれをなかなか許してくれない。その最たる理由は、キャスティング時におけるトラブルの多さである。ラインの特性として軽くて腰の無い素材であることが、トラブルの最大の原因であると推測される。

リーダーがナイロン素材であろうが、フロロ素材であろうが、リーダーの長さが不適切だとPEラインとの硬さのギャップによってキャスティング時にトラブルを誘発させると考えている。キャスティング時に硬い素材のリーダーから、ノットを介して柔らかい素材のPEに急激に変化することによって、ガイドを通るラインの抵抗も当然急激に変化し、この変化がトップガイドを通過するまでのPEラインに不安定な軌道を描かせてしまうと推測している。また、スピニングリールでスプールにリーダーを巻き込んだ状態からキャストすることは、スプールに巻かれたラインとガイドに向かうラインの角度が直角の関係にあることから、リーダーが螺旋状にガイドに向かって進むことにより、より不安定な状態を作り出し易くすると推測する。また、キャスティング時における最もガイド通過スピードの高い初速のタイミングでリーダーとの接続部がガイドを通過することは、究極的にトラブルの発生率を上げる気がしてならない。ならばと、リーダーを長くしてみると、ガイド通過スピードが落ち着いた状態でノットがガイドを通過するので、トラブルが減ることも確認済みであるが、現実の釣りに即していないのでやりはしませんが。マグロのキャスティングゲームで名を馳せる青森と静岡の両Sさんが、スプールにリーダーを一巻きしたセッティングからキャスティングしていると見聞きし、ちょっとびっくりしています。理由を聞いてみたいものです。私的には、「PEラインに指を掛けないようにするため」なんて理由では納得しませんけど。

では、私がどのようなリーダーセッティングで行っているかというと、最大限のリーダーの長さを確保したい時は、キャスティング時に指を掛ける部分にノットをセッティングします。(スプールに一巻きと比べても、長さは30cm程度の差ですね)リーダーの長さを必要とせず、よりトラブル少なくキャスティングし続けたい場合は、一番手前(リール側)のガイドの位置にノットをセッティングします。つまり、両方のセッティングともリーダーを直線のままキャスティングするということがキモとなっているのです。リーダーは真っ直ぐのままキャスティングする!セッティングについてはこれだけです。もちろん、風向きやキャストフォーム、ロッド特性等によって、トラブルを誘発することもありますので、その辺はお間違えなく。

上記はあくまでも私の現場での体験を元に、より長い時間安全にトラブル無くキャスティングし続けるためのセッティングであって、一日に数回しかキャストしないような特殊な釣りには当てはまらない部分もあると思いますが、逆に一日に数回のキャスティングチャンスしかない釣り物だからこそ、よりトラブルの無いセッティングでなくてはならないとも考えられるのではないでしょうか。ここぞという時にトラブっては泣くに泣けませんから。笑 

 

オマケ ガイドの進化がキャスティングゲームの未来を決める?

F社のKガイドが世に出回り始めて数年が経っていますが、未だに勘違いしている人もいるようなので・・・、Kガイドはラインが絡まないんじゃなくて、絡んだラインが取れ易いガイドであるということです。あくまでも取れ易いのであって、取れなかった時は・・・合掌です。ガイド端にノットが形成されて・・・キャスティングブレイクの可能性が高いと推測されます。少なくとも私の経験では全てブレイクしていますから。