唯我独論

ルアー・フライフィッシング、気象等に関する独論を綴る

天候による行動パターン・気圧の影響 

まずは、気圧というものがシーバスに限った事ではなく、他のどん

な生き物に対しても影響を与えているものであるという事を知って

いなくてはいけない。仮に気圧の変化がシーバスには影響が無い程

度のものだったとしても、シーバスのベイトとなるものに影響があ

れば、間接的にシーバスに影響が及びその行動も変わってきて当り

前である。

気圧は1013ヘクトパスカルを平均に、上が高気圧で下が低気圧

となるわけだが、こと魚釣りに関しては、昔から気圧が低下してい

く時の方が良く釣れるという定説がある。実際に経験を積んでくる

と、確かに気圧が低下していく時の方が良い結果を得ていることを

私自身も実感している。しかし、それが全てではない事もまた事実

でもある。

何故、気圧はシーバスの行動に影響を与えるのでしょうか?正直言

って私は学者ではないので理論的な事はわかりません。しかし、私

の経験から言わせてもらえば、シーバスを含めた自然界の生物とい

うものは、人間には感じ取れないような自分の周囲の変化や自分に

対する変化(自分にかかっている重力の変化など)に敏感で、それに

よってベイトがどの様な行動をとるとか、これから起こりうる現象

に対して事前に対処する術とかを持っているように感じる。気圧の

変化は、目に見えない上に前衛的な変化であるが、彼らの体は敏感

にその変化をキャッチして対応しているはずである。

気圧とは大気の圧力の事なので、大気中だけのものかと思いがちだ

が、魚に影響があることが確かである以上、その力は水面下にまで

影響を与えているものといってよいだろう。そこで、私流のちょっ

と怪しい気圧と魚の関係は、大気中の圧力が上がると、その力で水

面が押されることにより、水の密度が上がりベイトもシーバスも動

きづらいので、あまり活発に移動したりしないのである。逆に大気

圧が下がると、水面を持ち上げるような力が働いて水の密度が下が

るため、ベイトもシーバスも動き易くなり活発に移動したりベイト

を捕食に行ったりするのではないかというものである。

セイゴからランカークラスになるまでには、長い月日が必要である

。その間に色々な経験をしながら大きくなっていくわけだから、ラ

ンカークラスになる頃には、相当知恵や感覚も発達しているのでは

ないかと考えても差し支えないのではなかろうか。その中でも、感

覚の発達という観点からランカークラスを分析すると、アベレージ

サイズよりも素早く気圧の変化に反応して、かなり早い段階から捕

食モードに入っているのではないかと考えられないだろうか。もし

これが事実ならば、アングラーが考えるよりもかなり早い段階とい

うよりも、まったく考えも付かないような段階で、ランカークラス

は動き出している可能性がある、ということになるのである。さらに

深読みしてみると、普通にアングラーが狙う頃には、既に捕食活動

は終わっているのかもしれないのだ。ビギナーズラックは、訳もわ

からないビギナーがいきなり釣ってしまったり、大物を釣った時に

使う言葉であるが、以上の文を読み進めてくると、ビギナーズラッ

クとランカーシーバスとの接点が見出せないだろうか。ビギナーは

知識が無いために、何も考えずにロッドを振るものである。しかし、

その何も考えていないタイミングというものが、ランカーシーバス

の想像を上回る早い捕食モード突入とバッティングすることで起き

るのではないのかと。つまり、一般的な知識はランカーハンティン

グにとっては中途半端な知識となる可能性が高いとも考えられるの

である。

おまけ1  低気圧の定義

低気圧という用語を気象庁のホームページで調べたら、「気圧の同

じ面で、周囲よりも気圧が低く閉じた等圧線で囲まれたところ。」

と載っていました。ハッキリ言ってよくわからないので、「他の大

気よりも気圧の低い状態の大気がかたまっているところ。」と覚え

ておきましょう。

おまけ2  気圧配置の特徴

日本はその地形的特徴からか、四季の気候変化がハッキリしている

と言われている。その鍵を握っているのが、梅雨前線の動きや西高

東低の冬型・東高西低の夏型の気圧配置である。梅雨前線が東西に

伸びて南北に動き、その付近で雨が降る。夏は太平洋高気圧が張り

出して太平洋側は湿った南風の日が多くなり、冬は逆に乾燥した北

風が吹く日が多くなるのである。

おまけ3  気圧(等圧線)と風の関係

天気図の中には、陸地でいう所の等高線と同じ様に、等圧線という

線が描かれています。一般的に等圧線の幅が狭い所ほど風が強いと

言われています。天気図上の台風は、まるで木の年輪を思わせるよ

うに、等圧線が密になった円形で描かれていることを思い出せば、

等圧線の幅というものが風と関係していると納得できるはずです。