唯我独論

ルアー・フライフィッシング、気象等に関する独論を綴る

潮周りによる行動パターン

 

潮回りの違いによる釣果の差というものは、昔からその良し悪しが

語られてきているが、現代ではタイドグラフを参考に、潮位の変動

を重視すべきであると考える。あくまでも潮位とその変動の仕方が

基本であり、潮回りとは、単なるその日に付けられた名前としてと

らえるべきである。 

俗に言う潮回りとは、大潮・中潮・小潮・長潮・若潮と呼ばれてい

るもののことである。これらが何でこのような名前が付けられてい

るのか詳しい事は知らないが、間違いなくその日の潮の状態から付

けられた名前であると推測される。単純に潮の動き(変動)が大きい

日を大潮、中くらいの日を中潮、小さい日を小潮、潮の動きが長い

(その潮回り最後の日)を長潮、新しい潮回りに変わる日を若潮と

しただけなのであろう。まず、潮回りによるシーバスの行動を考え

ていく上で、潮回りの違いによってシーバスがどのように行動を変

えているのかを考える事も大切だが、この潮回りでなくてはそのポ

イントにアングラーが入れないとか、逆にシーバスが入ってこない

など、潮回りに起因するアングラーや魚の事情という観点から考え

ることも、潮回りとシーバスの関係を考える上では必要だし、もっ

とわかり易くなるのではないだろうか。

潮に関しての情報を調べる場合、一番身近で絶対に必要なのが、皆

さんもご存知のとおりタイドグラフである。満潮・干潮の時間だけ

がわかっても、その間の潮位変動の仕方がわからなければ使い物に

ならない。潮回りの特徴を掴むには、タイドグラフを一日中眺めて

いるのが一番です、そうすればなんとなく潮の傾向というかサイク

ルみたいなものが見えてくるはずだから。ちなみに、昔からタイド

グラフを眺め続けている私などは、何月の何潮であれば、何時が満

潮で何時が干潮だとか、潮位はこれ位だとかというものが頭にイン

プットされてしまっているくらいである。

タイドグラフの波線を見ていると、大潮ほどその潮位変動が大きい

事がわかるはずである。昔から「大潮の日は良く釣れる」と言われ

ているが、これは「潮がよく動いた方が釣れる」と言っているのと

同じことである。ならば、小潮や長潮の日は釣れないのかといえば

、そんなことは無いわけで、これはチョット大雑把で単純な理論と

言わざるをえない。要は、その日の潮回りではなく、「潮がどの程

度・どのように動くのか」という事が大切なのである。タイドグラ

フの縦軸は潮位であるが、その縦軸のある一定の数値のところ、例

えば150の所を基準にしてみるとしましょう。するとどうなります

か?ある潮回りでは潮位変動の波線がそのラインを突き抜けている

が、ある潮回りではそのラインまで届かないところがあるという事

に気付くはずです。こうする事によって、どの潮回りのどの日が自

分の考えている(必要としている)潮位になるのか、ということがわ

かるわけです。これに横軸である時間というものを加味して考える

のです。これが潮回りによってアングラーが行動を決定する基本的

な考え方です。例えば、あるポイントは潮位が120以上無いと浅く

て釣りにならないし、シーバスも入ってこないなら、それ以上の潮

位がある日はどの潮回りの日で、何時から何時の間がチャンスタイ

ムであるとか。シーバスはいつでもいるんだけど、潮位が10以下に

ならないとアングラーが入れないから、この潮回りでこの時間ぐら

いしか入れないという事になるのである。

ランカークラスは、まさに釣れるべくして釣れるパターンと、何で

と思わせるような時や場所で、まぐれ当たり的に釣れてしまうパタ

ーンのどちらかがほとんどである。逆に考えると、シーバスが潮回

りによって行動しているからこそ、釣れるべくして釣れるパターン

が存在するとも言えるわけである。私は、シーバスが潮回りによっ

てある程度その行動というものをパターン化している所があると思

っている。なぜなら、同じ潮回りで同じ様に釣れる事がまま有るか

らである。これを潮回りによるパターンと言わずして何と言えば良

いのであろうか。そのポイントによって、どの潮回りのどの潮時が

狙い目であるかは違うので、自分で経験を積みながら確立していか

なくてはいけないが、タイドクラフトと睨めっこしながら、潮回り

(本当は潮位と潮位変動の仕方)というファクターを考えながら、狙

いを絞っていくのが本当の楽しみなのではなかろうか。

 

おまけ1  潮回りの特徴・春秋の違い。

タイドグラフと睨めっこすると、その特徴が見えてきます。代表的

なのが、「春・夏の大潮は昼が引き、秋・冬の大潮は夜が引く」と

いうものです。これは、春・夏の大潮では昼間の干潮時が最大干潮

となり、秋・冬の大潮では夜の干潮時が最大干潮となるのです。

潮干狩りは春の大潮にする人は多いのですが、冬の大潮にする人

はほとんどいません。まあ、寒いので当り前でしょうが、釣れない

時はこちらを狙ってみるのもいかがでしょうか?

おまけ2  潮回りの特徴を生かすべし。

下げ潮が良いポイントの場合、どうしても大潮や中潮の満潮から下

げが干満の差が有るので良いだろうと考えがちである。しかし、小

潮や長潮・若潮にだって下げ時が有るし、こちらの潮回りの方が満

潮から干潮に至るまでの時間が長いという特徴があるのだ。これが

どういう事を意味しているかというと、大潮や中潮ではベストタイ

ムが短くすぐに過ぎてしまうかもしれない、逆に状況さえ良ければ

、小潮や長潮・若潮は、プライムタイムが長続きする事を意味して

いるのである。

おまけ3  キーポイントになる潮回りを覚えるべし。

自分が良く行くポイントのシーズンインする潮回りとか、ランカー

が出た(自分以外も含めて)潮回りというものを覚える事は大切な事

である。頭だけで覚えておく事は不可能なので、必ずノートなりに

メモしておくことをお勧めする。そうすれば次の年・次の年と、サ

ンプルが増えていく事により、おぼろげながらシーバスの潮回りに

よる行動というものが見えてくるはずである。