唯我独論

ルアー・フライフィッシング、気象等に関する独論を綴る

潮時は、シーバスの気持ちになって考える時と、アングラーの事情で決める時のふたつがある。潮時を絞り込む事はシーバシングの楽しみのひとつであるが、短時間だからといって現場で集中しすぎると、かえってマイナスなこともある。

 

潮の高低や動きというものは、月の引力と関係している。月の引力とシーバスの間に何か関係があるかは知らないが、潮の高低・動きとシーバスは、とっても重要な関係なのです。皆さんの中には釣りに行く時、ただ漠然と「夜になったから行く」とか「雨が降ったから行く」という人はいないだろうか?確かに通い続ければ結果は出るものです。しかし、それでは惰性になってしまうし、単なる体力勝負になってしまいます。何より勿体無いのは、シーバスの一番楽しい部分を抜かしてしまっているからなのです。私の考えるシーバスフィッシングの楽しいところ、それは考え抜いた上で狙いを定め、イメージしたとおりにヒットするところにあるのです。その狙いを定める時の要素となるのが潮時というものなのです。釣りに行く前に、タイドグラフやインターネット・スマホで必ずチェックしていくアングラーはどれぐらいいるのだろうか?そんなことは当たり前だ!という声が聞こえてくるとおり、最近は皆さんちゃんとチェックしているようです。もしそうでない人はこれから実行するように。

私の場合、一年中シーバスを追いかけているわけではないので、主として10月から2月の秋から冬のシーズンに釣行するポイントついて検証してみたい。サーフやウェーディングでシーバスを狙う場合、アングラーの行動はシーバスの捕食活動に合わせたものでなくてはならない。なぜなら、サーフであろうがウェーディングであろうが、シーバスは基本的にベイトを求めてアングラーの射程圏内に入ってくるからである。沖のブレイクラインを回遊していると思われるシーバスが、私達の射程圏内まで入ってくるのは、単に遊びに来ているのではないという事だ。まずサーフに流れ込む典型的な河口部から話を進めていこう。河川からは、当然のように下げ潮時に海へ流れ込む水の量は多くなる。そうすると弱った小魚などは流れに逆らえずに海へと流され、待ち構えていたシーバスに捕食されるという図式が成り立つわけである。教科書的なベストポイントである、波と川の水がぶつかる部分は、満潮時はあまりハッキリしないものだが、下げ潮時ほどその存在がハッキリしやすいものである。しかも干満の差が大きければなおさらである。

シャローが続くウェーディング可能なポイントでも、満潮時はそのシャローエリアに入れない場合が多い。最大干潮の潮位が20以下の日で、ど干潮3時間前からしか、そのエリアに入れないような場合、当然そこには時間的な制約が発生することは、おわかり頂けるだろう。こんな場所では、あえて水の多い時に危険を侵し体力を使うよりも、この短い時間でチャンスをものにできるかどうか勝負するくらいの気持ちで良いのではないだろうか。多分勝負の分かれ目は、事前の情報収集とその日のベイトの状況で決まるであろう。

ほとんどの潮時に言える事ですが、潮が動き出したり動きに変化があった時にチャンスが巡ってくる事が多いものです。例えば、満潮で止まっていた潮が下げ始めたとか、干潮から上げ始めたなどですが、その変化に気付くには、常に潮の動きを意識しながら釣らなくてはいけません。また、シーバスフィッシングは、ほとんどのポイントが単調なキャストアンドリトリーブの繰り返しになります。この単調な繰り返しに、体も頭も集中していては長続きませんから、体はキャストアンドリトリーブを繰り返していても、目では周囲の状況を観察したり、ベイトの跳ねがないかなどを探しているくらいでちょうど良いのです。バイトがあればロッドに伝わるわけだし、むしろルアーを目で追っていると早合わせの原因となりやすいなど、ひとつも良い事など無いのだから。  

潮時を見極めて釣りをすることはとても大切です。アングラーが思うより、魚は潮の動きに敏感なものですよ。

 

おまけ1   ベストな潮時の見つけ方

そのポイントによって、ベストな潮回りや潮時というものがある事は、皆さんもご存知であろう。ベストな潮時を見つけるには、潮回りを変えながら、できる限りの時間そのポイントでキャストし続ける事である。これでは、体力勝負以外の何物でもないと言われそうですが、マニュアルの無い時代はみんなこうしてそのポイントのパターンを確立していったのです。

おまけ2  前後を考えてみよう

ポイントごとの潮時が掴めるようになったら、その前後を考えてみよう。前後とは、そのポイントにどこから入ってきて、どこに移動するのかという事である。ひらたく言えば回遊ルートのことである。また、逆に回遊ルートを想像して、そのポイントの潮時に狙いを付ける事も可能である。

おまけ3  ベストな潮時を掴んだポイントの数が増えるほど、ヒット数が増えるのは当り前である。なぜなら、干潮からの上げ始めはあのポイント、満潮いっぱいからの下げ始めはあそこと、潮時の変化によってポイントを移動しながら攻める事も可能になるからである。まあ、時として見切りが早すぎて、オカマばかりほられるという欠点もありますが。