唯我独論

ルアー・フライフィッシング、気象等に関する独論を綴る

ランカーポイントを見付ける為のヒント

 シーバス人気が高まるのと正比例して、様々なポイントが開拓されて

きた。そして、それは今でも続いている。スズキは本来海の魚であっ

て、幼魚期は汽水域で過ごしているものが多いにしろ、成魚になれば

海で生活しているのが普通である。一般の人もスズキは海に住んでい

て、海で釣れる魚だと思っているはずである。しかし、ご存知の通り

、スズキは川にもいるのである。しかも、時としてデカイ奴が…。

しかし、狙ってもなかなか釣れないサイズを釣ろうとするには、それ

相応の考え方や覚悟が必要だろう。

ランカークラスのポイントを見付ける時に、私が最も重要だと考えて

いるのが、「今までに蓄積してきた知識・経験・データなど、シーバ

スに関する全ての事を一時的にリセット(白紙に戻す)する」というこ

とと、「自分自身の直感を信じる」ということである。なんだか矛盾

しているようにも思えてしまう両者であるが、矛盾と感じつつも以下

の文章を読んで何かを感じていただければ幸いである。

知識・経験・データなどの積み重ねが、ランカーとの距離を縮めてく

れることは事実だし、私自身も今まではそうすることでランカーとの

接点を見出してきたものである。しかし、アングラーが激増した上に

、これだけポイントの開拓も進んだ今となっては、その枠では括れな

い部分であるとか、既成概念を超えた部分であるとかで捉えていった

方が、ランカーとの接点が見付かりやすいような気がしてきたのであ

る。知識偏重・情報重視のマニュアルアングラーには、最初からこんな

話は認めたくもないし受け入れられないだろうから、それはそれで構

わない。頭の硬いアングラーがいくら増えても、ポイント的や時間的

に偏る傾向があるので、なにかにつけて隙間というものができやすく

、あまり気にしなくてもよいのだ。その上、気象や潮等の現場に行く

前から予想がつく条件が、マニュアル的に悪い場合、現場にすら来な

いことも考えられるのであるから…。さて、なんでリセットが必要な

のかというと、知識や経験というものが、知らず知らずのうちに先入

観というものを植え付け、やる前からこんな所はダメだろうとか、こ

の時間やこの潮ではダメだろうと、勝手に頭が判断を下してしまう原

因となっているからである。昼間に見ると鯉が背中を出して泳いでい

るような浅いチャラ瀬に、夜だからといってキャストしてみようと考

えますか?本流に流れ込んではいるものの、幅は狭く生活廃水が流れ

ているような水路にキャストしてみようと考えますか?知識や経験を

ある程度積んだアングラーなら、こんな所に居るはずがないと思って

キャストしないはずです。データというものにこだわってくると、全

てが確率重視的な考え方になりがちである。実際にキャストしている

時は、少しでも確率を上げるような努力やテクニックを駆使する事は

必要であるが、現場に立つ前や現場を見ただけで、確率的な判断を下

してしまう事はとても危険なことです。シーバスが釣れる確率など、

元々低いものなのだから、確率的な部分にこだわる事自体が本来はナ

ンセンスなのではないでしょうか。ちなみに確率といえば、私はシー

バスフィッシングをall or nothing(全か無か)な釣り

であると捉えている。条件的な事でもルアーの事でもベイトの事でも

何でもいいが、シーバスに関係する全ての事をひとつのパズルのピー

スとし、そのピースがある一定のレベルまで揃った時には全体像が見

えてくる、つまり結果となって表れてくると考えている。

 

人間には五感というものが備わっているが、五感以外の感覚を第六感

などと呼んでいる。直感や閃きとか言われるものがそうであるが、釣

りにおいてこれらの感覚はとても大切なものである。私はこれらの感

覚が釣りにおける総合力から生まれてくるものであると考えている。

それは何故かと言うと、自分が意識していない部分で判断していて、

それが感覚となって表れてくるものであると思うからである。言い換

えるならば、頭でする意識的・理論的な判断でなく、体で感じる感覚

的・体感的な判断なのである。まずは、現場に立ったなら深呼吸をし

ましょう、そうすればフィールドから発せられる何かを感じ取る事が

できるかもしれません。何かを感じる事ができるポイントに出会った

ら、後は自分を信じて通い続けるのみである。先にも書いたとおり、

シーバスは確率の悪いゲームなのですから、すぐに釣れてしまう事は

稀なのです、自分を信じて最低でも10回はそのポイントに通うぐらい

の気持ちが必要でしょう。最後に、どうしてランカークラスになるま

で生きてこられたのか、という事を考えてみて下さい。そうすれば自

ずと答えは導き出されるはずです。