唯我独論

ルアー・フライフィッシング、気象等に関する独論を綴る

コマセの極意?①

俗に言うコマセとは、魚を寄せて釣るために撒くものであるが、これがなかなか奥が深いと感じている。コマセカゴを使う船からの釣り以外で、コマセを撒く代表的な釣りには、メジナや黒鯛を釣るフカセ釣りがある。数年前に無性にコマセ釣りの本質を知りたくなり、メジナのフカセ釣りをしてみた。もちろんこの釣り自体の面白さを体験する事もあるし、冬場のメジナを食べてみたいというのもあるが、ルアーやフライの釣りに活かせるヒントがあるのではないかとの予感もあってのことである。

メジナのフカセ釣りはコマセと付けエサの同調が最も重要なことと言われているが、これがなかなか難しい。磯際の複雑な水の動きや常に変化する潮の流れ、コマセと付けエサの沈下速度の違い、ラインやウキの抵抗など、様々なファクターが重なり合っている為である。コマセに反応した魚の口元に付けエサが沈下していく状況が最も自然である訳だが、現実的には無理である。無理ではあるが、なるべくこの状況に近づける為に様々な道具の工夫や釣法が考えられてきたのである。

本命がエサを食べるであろう場所と棚を予想し、流れを利用してコマセと付けエサを同調させて流し込む!この理論がルアーに活かせると考えて実践したのが、川スズキ狙いでの水中ドリフト釣法である。フローティングルアーでの水面ドリフトは昔から行われていたが、より安定してより安心してエサを摂れる水中の方が、魚のバイトを誘発し易いのでないかと考えたのである。また、道具の進化としてメインラインがナイロンからPEが主流となり、細く感度が良くなった事も、この釣法の進化を後押ししたと考えている。

この方法は磯ヒラスズキ狙い等の流れがある場所でも多用されるべきテクニックであると考えたが、即に一部では行われているようである。

今のルアーマンは初めての釣りがルアーという者も多い。ルアー育ちのルアーマンが多いのだ。他の釣りを体験する事や学ぶ事で、自分がメインとしている釣りのキャパが広がる事を知っておくべきであり意識しておくべきである。