唯我独論

ルアー・フライフィッシング、気象等に関する独論を綴る

そもそもルアーとは、動くから釣れるのか動かすから釣れるのか、

いうことを考えた事がありますか?

キャストしてリールをただ単に巻きさえすれば、ルアーが勝手に動

てくれるので釣れてしまう…。確かにその方がアングラーにとっ

て無な動きも無くて楽なのかもしれません。しかし、ルアーとい

う単語英和辞書で調べて見てください、どんな意味が載っていま

すか?名詞では「強い魅力・誘惑」動詞では「誘惑する・誘う・お

びき寄せる」などと載っています。ズバリ私が言いたいのは、積極

的にルアーを動かし、操ること自体を楽しむべきではないのかとい

う事と、自分で動かす事=誘う事によって魚がヒットした時の充実

感というか楽しさというか喜びというものをもっと知ってもらいた

い、という事である。

ただキャストしてただ巻いて、何も考えずに釣れた魚というのは、

なる「釣れてしまった魚」に近いのであって、頭で考えたイメー

ジどおりにルアーを動かし、生命を吹き込まれたルアーで釣った

魚こそ、真の意味での「釣った魚」となるのではないでしょうか。

一応断っておきますが、ルアーをあたかもデッドフィツシュのよう

に自然に流す(ッドドリフト・ナチュラルドリフト)事も動かすの

と同等に難しいテクニックであります。こちらのテクニックは「釣

った」ではなく「出した」と表現したくなるのは私だけではないはず

です。

 あなたは誰かに情報を伝える時に、「どこそこで何が釣れたよ」

言いますか、それとも「どこそこで何を釣ったよ」と言いますか

自分が「釣れたよ」と言っていると思い当たる人、貴方は心のどこ

で受身の姿勢が残っているのかもしれませんよ。なぜなら積極的

に「ルアーの意味」を実践している人というのは、自分が意識して

いなくても「釣ったよ」と口にしそうじゃないですか?笑

 私のルアー分類方法のひとつとして、アクションさせない(ただ

巻き)ルアー、自らアクションさせなくては(トゥイッチ・ジャー

ク等)来のポテンシャル自体を発揮できないルアー、特にアクシ

ョンさせなくても有効ではあるが、アクションさせることによって

さらに素晴らしいポテンシャルを発揮するルアー、という分け方が

ある。これらのタイプを色々なシチュエーションや状況によって使

い分けている。

 以前にある人からスズキ狙いの場合はどのようなルアーローテー

ションをしているのですか?と聞かれた事がある。その時私は答え

に困ってしまい、このような話をした記憶がある。元々現場に多く

のルアーを持って行く事が無いので、相手の期待していたような答

えは返せるはずもなく、状況変化に対応したルアー選択の基準とい

う意味合いの答えをしてその場を逃げたのである。その基準とは、

その場所で考えられる流れの強さと自分の立ち位置からポイントを

狙う場合の流れの方向をファクターとし、その強弱具合によって対水

スピード対応能力の違うルアーをローテーションするというものであ

る。私が思うに、ルアー本来の持つ最も効果的な動きが発揮できる対

水スピードの範囲というものはそれぞれのルアーで決まっているわけ

で、その範囲を下回ったり上回ったりしない範囲で使えれば本来の働

をしてくれるはずなのである。

 

 )対水スピードとは、私の造った造語ですが、水とルアーが擦れ

違うことによって発生する絶対スピードの意味。例えば激流の中

でルアーをステイさせている事と流れの無い所でハイスピードリト

リーブしている事は、対水スピードの観点からすると大差のないこ

となのである。