唯我独論

ルアー・フライフィッシング、気象等に関する独論を綴る

なぜラインシステム(リーダーシステム)を組む必要があるのかと問われたら、「使用するメインラインの強度をルアーまで維持してあげる為である」と答える。

メインラインを単糸のままルアーやスイベルに結んでも、絶対にメインラインの強度以下にしかならないのだ。なぜなら、結着強度(物に結び付けた時の強度)が100%の結び方は今のところ無いからである。

 メインラインがナイロンラインの場合、様々なノットがある中で、今のところメインラインの強度を100%維持できるノットと言われているのが、ビミニツイストとプレイテッド・スプライス(三つ編み)である。これらのノットは、ラインを締め付けて結び付けるのではなく、ライン同士の摩擦抵抗やライン同士を編み込むことによって形成されるノットである為、ラインに「締り細り」が起こる箇所がない為に100%の強度を維持できるとされている。奇しくも両者はダブルライン及びトリプルラインを形成するノットである為、両ノットの先には対メインライン強度比200%・300%の部分が形成されるのである。この200・300%になった部分を利用してリーダーを繋げる事により、強度低下のないリーダーシステムを組む事が可能となるのである。計算式で表すなら、メインライン強度を100%としたら、ビミニ(ノット強度100%)で2本のラインにして200%、リーダー強度200%(対メインライン強度比の2倍以上を使用)でノット強度50%以上のノットで接続すると対メインライン強度比は100%を維持、リーダー(対メインライン強度比の2倍以上を使用)をノット強度50%以上のノットでリングやスナップ等に接続すると対メインライン強度比は100%を維持できる、という計算になる。難しいですね。笑

メインラインがPEラインの場合、現在のことろPRノットやFGノット等の摩擦系ノットによって強度低下無くリーダーに接続することにより、強度低下のないリーダーシステムを組む事が可能となっているのである。やっぱり強度低下の無いノットは摩擦系なのである。PEラインの場合、メインラインの強度が高いので、使用するリーダーが常識の範囲(細いリーダーを使う場合はメインライン強度と同等になってしまう場合があるという意味)であればの話ですが。

 もうひとつの理由としては、リーダーとしてメインラインよりも太くて強いライン(2倍以上が望ましい)が先端に付く事によって、単純に考えてある程度の長さがあれば根ズレに対するアドバンテージとなるだろうし、短かったとしてもランディング時においてリーダー部分をハンドリングできるというアドバンテージをもたらすという事だ。

 そして第3の理由とは、基本的に吸い込み型(丸呑み型)の捕食をする魚の場合は、噛み付き型の捕食をする魚よりもルアーが丸ごと口の中に入ってしまう確率が高いので、少しでも歯切れ対策とする為である。バイトリーダーの代表的な使用例は、マグロ狙いの場合で沈下系のルアーをフォールさせて使う場合にフロロのリーダーを付けたり、スズキ狙いの場合でルアーを流れに乗せてドリフトしている時やジャーク後のストップ状態の時など、リトリーブによるラインテンションがほとんど掛かっていないような状態でバイトが出る釣り方をする場合に、ナイロンの100ポンドを25cm程度付ける場合がある。プラスしてルアーフックの絡み傷にも強いし、エラブタ対策としても効果はあると考えている。

 

 ラインブレイクしてルアーが口の中に残ったままで、はたして生きて行けるのであろうか?などというくだらない事を考える前に、ラインブレイクする事無く素早く確実にランディングするラインシステムと技術を磨き、そして次の事をもっともっと真剣に考えるべきである。